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2016年6月4日土曜日

不老不死は夢じゃない?“科学的に”黄泉返る話【6/3:NHK】

「6/3」のNHKで
モーガン・フリーマンさんが司会の
「時空を超えて・選―死からよみがえることはできるのか?―」
という番組がやっており、
「死んだ人間は科学的に甦られるのか」という題材でした。

甦り(黄泉返り)というのは、
文字通り、
「死んだ人間が生き返る」ということになるのですが、
現在科学的(主に生物工学的)に可能というのは
どういう方法がとれるのか、という内容でした。

ちなみに、宗教の場合、
キリスト教では、キリストが復活後に甦るでしたっけ?
仏教では成仏だし、神道では根の国に行く…でいいはず。

SFや特撮では死んだ人間がロボットなどになって、
敵の親玉キャラとして出てくるというのもかつてはあったようですが、
はてさて。

今更ではありますが、文系な私、生物はおろか理数系知識は皆無ですが、
オーパーツや超古代文学のトンデモ系は結構好きです。

今回も、某漫画(MMR)みたいに

「実は、ムー大陸は日本の側に実在したんだよ!!」
  (昨今では否定されてるけど)

「な…なんだってぇ―――っ!!」

と、脳内でこっそりやりたかったので、
うきうきしながらメモってみました。

ちなみに、

パラレルワールドの話はこちらから、

死後の世界(あの世)の話はこちらからになります


地球や太陽が消滅したあとの人類や宇宙航行が
気になる方はこちら

生物学上【オトコ】は要らなくなる!?有性生殖の将来は?についてはこちらへ


どうぞ。

・「仮死~復活」という治療方法
・生物が永遠に生きることは可能か?
・クローンで母体を作る
・自分の脳味噌を機械に移植
・身体部分=アンドロイドで代用

という題材でお送りします。





・「仮死~復活」という治療方法
⇒「死」という概念とは何か?

人間を仮死状態にする、という手術方法があります。

心臓手術は、心臓に血が通っていない状態では
心臓手術ができませんが、
イエール大学ニューヘイヴン病院の心臓外科医、
ジョン・エレフテリアテス氏の手術方法は心臓を止めてから行います。

心臓に血が流れていない場合、
通常の体温だと、人間は5分で死に始めるそうです。

人間の血液を、機械を通して氷などで冷やしながら
身体の中を循環させることで低体温にします。
体温を18度ぐらいに冷やすことで、仮死状態にします。
これだと、人間の生命活動が止まってしまいます。
それによって(通常の医学的既定値的に)生命停止状態にします。

が、こうすることで、
タイムリミットが5分→1時間に延びます。
(45分以内が安全帯です。)
それを過ぎると脳細胞が死に始めますし、
生き返ったとしても重篤な障害が残ってしまいます。

脳に損傷を与えないように気を付けながら、
患者を死んだ状態からよみがえらせます。

「これには私自身も驚いています。
『死』の定義が変わったと言っていいでしょう。
死んでいる状態が永遠に続かない限り、
もはや『死』とは呼べない状態です」
と、エレフテリアテス医師はコメントしていました。

 (心臓手術は熟練した技術+速さが必要だということでしょうか。)
お医者さんって凄い!と思うコーナーでした。

余談ですが、この理屈で言うと
「人間を冷凍する」事は難しいということになりますが、
世界的に見れば冷凍状態から回復したひともいるようですし、
何人かを実際に冷凍しているというケースもあるようです。

・生物が永遠に生きることは可能か?
 ⇒「細胞」個々では可能な場合も有る


これについて、
ペンシルベニア大学蘇生研究センター所長
ランス・ベッカー氏によると、

温度によって「細胞」が腐敗しないということがあります。
代謝の機能が通常よりも機能しない冬眠状態になることで
「死」を遅らせる働きがあると言います。

調節遺伝子というものが、
寿命がきた細胞に自分を殺すよう指示するようです。
毎日およそ500億の細胞が死んでいるようです。

心臓発作などの重大なアクシデントがおきると
自分が死んだと言う事を周りの細胞に報せ、
全身の細胞が次々に死んで行くのですが、
それが温度などによって進行を止められる。という考え方です。

そこで、「細胞が自ら死ぬプログラムの引き金」が何かを探る研究として、
「生きている細胞」を標本として摂取し、
酸素を取り除いた状態でおく、後に酸素を供給する、
という実験をしました。

結果は、研究者たちの仮説とちがって

細胞の酸素供給をとめる

細胞が活動しなくなる

酸素の供給を再開 ←この時点で細胞が死亡

となりました。

つまり
細胞にとって酸素が引き金だったということのようです。

(深呼吸は身体に悪いってことでしょうか?「活性酸素」が美容に良くないって、アレ??)

そして、
その活動が冷却水などで抑えられることもわかりました。

この「酸素によって細胞死亡」という働きには
細胞内のミトコンドリアが関わっているようです。

ひとつのミトコンドリアが制御不能になることで
死亡プログラムが発動し、連鎖反応がおきていくようです。

硫化物・シアン化物・一酸化炭素を供給することで、
ミトコンドリアをリセットし、
細胞の自死プログラムを阻止することができれば
『死』を回避できるかもしれないという研究がおこなわれています。
(※投与量などは実験段階)

・クローンで母体を作る

上記では、既存の肉体の死(自壊?)を止める
という研究でしたが、
うってかわって
「肉体を新らしいものにする」
「死んだひとを生き返らせる」
という研究もされています。

生物工学者(会社員)のロバート・ランサ氏は
絶滅危惧種のガウルという生物のクローンを、
牛の卵子と子宮を使う事で作成に成功しました。

植物(園芸)の間では当たり前に行われ、
昔から何度か、動物では実験~成功している
「クローン技術」ですが、
人間は今も倫理的理由から禁止されているもの
理論的には可能…とは言われています。

とはいえ、「遺伝子的には同じ」とはいえ、
「行動・思考パターンも自分とそっくりおなじもの」となると
ちがうらしいです。
例えるなら、一卵性双生児のようなもので
環境などがちがうと、個性・性格などもちがうようです。

番組ではアインシュタインを例に挙げています。
つまり、アインシュタインの髪の毛から細胞を取り出して
複数隊のクローンをつくったとしても、環境などがちがえば
同じような世界的物理学者が誕生するとは限らないようです。

他の条件として
培養するのなら「生きている細胞」に限ります。
例えば、原始人のクローンなどを作るのは
無理だと言います。

逆を言えば相手が死者だったとしても、
生きた細胞が手に入るなら理論上は可能です。が、
(倫理的なものはともかく)実践したことがないうえ、
資金・材料などが不足するため、確率的には5分5分だそうです。

・細胞を組み合わせて臓器を再生

ミネソタ大学の生物工学者
ドリス・テーラー氏によると、
損傷した臓器などを作れるだろう、と言います。

肝臓や心臓などの主要な臓器をつくるため、
内臓の型などを用意し、細胞(幹細胞など)を注入、
細胞が増殖して再生するという研究です。

他人の臓器を移植するのではなく、本人の細胞から作るので
拒絶反応などはできないだろう、と

大量の水を含んでいて、壊れやすいため
現在の所脳の再生は難しいらしいです。

但し、脳を再生させたとしても、それまでの性格や
思考パターンまで再現することは無理だそうです。

テーラー氏は
心臓再建術を脳に応用すれば可能になるのではないか
とみています。

脳を他人へ移植することは可能か?

とはいえ、例えば脳を他の個体へ移植することへの可能性としては

1)取り出した脳を生きたままにしておくこと
2)移植先の脳回路、脊髄、神経全てをつなぎ合わせる必要がある

という2点が困難という見解をみせています。

・自分の脳味噌を機械に移植
⇒記憶データは、文字通りコピーする

ダブリンシティ大学の
コンピューター科学者、ガーリン・カサル氏は
生徒と一緒に実験を行っています。
生徒がその日の行動をPCに入力していきます。
また、
カサル氏も5年以上PCへの記録を「ライフログ」として続けています。

それによって「そのひと」のライフログが電子媒体に記録させることができ、
そのひとの習慣や経験が遺されたひとの参考になることが考えられます。
これによって、そのデータをみたひとは
「人の心」の疑似的なものを体験できるかもしれません。

では、その「人の心」を脳から切り出すことはできるのか、
という研究も進められています。

「脳保存財団」という研究組織があります。
死者の心をよみがえらせる方法を見つけだすことが目的だそうです。

そこの研究員である、
神経科学者のケン・ヘイワース氏によれば
「コネクトーム」という脳に張り巡らされた神経回路・分岐点全体
(思考・意識の源)を再現できれば、
「そのひと」の心を完全に再現できるかもしれない、
と言います。

CPに当てはめると、脳味噌の神経回路=HDD、
臓器としての脳味噌=筐体ということになるようです。

脳味噌をデジタルに置き換える方法とは?

完全なコピーを作ればPCをとりかえてもデータが保存

死んだ人の脳を取り出して樹脂で固める
その後、温められたダイヤモンド製のナイフで
目に見えないほどの小さな断面にする、
イオンビームで断面をスキャンし、
デジタルデータに置き換えることで可能です。

これはすでに実現しているようで、解像度が高いため、
神経細胞の結合の様子の他、結合の強さなども解読可能だそうです。

これにより将来的にコンピューター上でその人物を再現することも可能。
心がどう作られるのかも解明されるようになるかもしれない。

現代では技術的に人間の記憶をコピーすることは莫大な費用がかかるが、
将来技術力が高まれば、安価になるかもしれないと考えられます。

・身体部分=アンドロイドで代用

欠点としては、データ(=脳味噌部分)しかないため、
そのひとに触れたいと思っても触れられないということです。

そのために必要なのが「身体」になる部分なのですが、
それを人為的に作るものとして「ロボット」が考えられます。

ロボット研究は日本での研究がさかんだそうです。
工業用がほとんどですが、アンドロイドは日本がリードしているようです。


大阪大学のロボット工学者石黒浩氏は
人間とコミュニケーションをとれるロボットを作成し、
表情は人間の表情筋をもとにして作られるようになっています。
表情を自然に近づける研究が現在行われています。

この身体に上記の、機械化した脳味噌をつなげれば
コピー人間が出来上がるということもありえます。

現に、人間の脳をアンドロイドにつないで、
アンドロイドがどういった行動を行うかの研究が
大阪大学で行われています。

「肉体を全て機械と取り換えたとき、最後に残るものは何かをしりたいんです」
と石黒氏はコメントしています。





思ったこと)

一口に「甦り(黄泉返り)」といっても、
こうしてみると、
定義によって「甦り方法」が色々ありそうです。

そのうち、
自分の脳味噌を新しい肉体などに移植してという方法も
出てきそうです。
とはいえ、こうやってみると甦りというのは
「自分のコピー化」ということであり、
オリジナルはどちらにしろ死んでいるということにはならないでしょうか?

今回の番組で思ったことといえば、

クローン化して、「若返った自分」が生き伸びた(死ぬ時間がずれた)としても、
クローンは存在しても「オリジナル」は死んでいる。
機械に自分のデータを移して「コピー人間(ロボット)」ができたとしても、
「オリジナル(生身)」は死んでいる。

ということで、「オリジナル(自分)の死」は結局消えていないといいますか。
それって、「死にたくない」という悩みは結局消えていないわけですよね。
ある意味「そのひとをうしないたくない」「失うと痛い」と思う、
遺されたひとのエゴのための技術にも思えてしまいました。

モーガン・フリーマンさんの〆のコメントで
「お隣さんがみんなアンドロイドとなって甦ったひとばかり」
というコメントがありましたが、そこまでいくと、完全にSFですねー。

その場合、今まで憧れだった「不老不死」が一巡して、
「死」に対してみんなが憧れ始めるかもしれませんね。

ゲーマーな私としては「生き返る」というのは
「世界樹の葉(*)」や「フェニックスの尾(*)」などで甦る感覚
(オリジナルが消滅することなく、存在し続ける)なんですけど、
そういうことは可能になることはあるのでしょうか…ねぇ…??

※※※

パラレルワールドの話はこちらから、

死後の世界(あの世)の話はこちらになります

宇宙からの重力波発見に関する宇宙好きな方はこちら

地球や太陽が消滅したあとの人類や宇宙航行が
気になる方はこちら

生物学上【オトコ】は要らなくなる!?有性生殖の将来は?についてはこちらへ


どうぞ。


AIだよ。機械だよ。人間みたいな「倫理」は必要なのか?
と、SFみたいなことをフッと思った方はこちらへ


追記)RPGゲームをしない方への(余計なお世話な)註釈:

「世界樹の葉ドラゴンクエスト)」
「フェニックスの尾(ファイナルファンタジー)」
って御存知でしょうか?
どちらも、プレイヤー/仲間キャラが戦闘時に死亡した際に
使用することで復活(黄泉がえり)するというアイテムです。


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